STマイクロエレクトロニクス、シンガポールのトアパヨ工場に革新的な冷却システムを導入し、持続可能性を強化 SP Group社と開発した新しい冷却システムの2温度帯機能により、電力使用の最適化および年間約2,140トンの二酸化炭素排出量の削減を目指す

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多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、STのパッケージング研究開発およびウェハ・テストの重要拠点であるトアパヨ工場(シンガポール)の冷却インフラをアップグレードすることを発表しました。この新しいシステムは、Singapore Power(SP Group)社により導入され、電力効率の向上を通じて、年間約2,140トンの二酸化炭素排出量を削減することを目標としています。

 

STのグループ・バイスプレジデントで、サステナビリティへの取り組みを統括するJean-Louis Champseixは、次のようにコメントしています。「2022年、STはAMK TechnoParkにおけるシンガポール最大の産業用地域冷却システムの導入を目的として、SP Group社と画期的な契約を締結しました。これに続くトアパヨ工場の冷却システムのアップグレードは、冷却ソリューションの革新と2027年までのカーボン・ニュートラル達成に向けたSTの継続的な取り組みを示すものです。冷却はSTの工場における電力消費の大きな割合を占めているため、新システムによる効率化によって、シンガポールのMEES規制を遵守しつつ、カーボン・フットプリントをさらに削減できます。」

 

SP Group社のサステナブル・エネルギー・ソリューション担当マネージング・ディレクターであるS. Harsha氏は次のようにコメントしています。「今回のプロジェクトは、製造業などのエネルギー多消費型産業において、戦略的な協力とスマートなインフラにより、脱炭素化を加速できることを示しています。当社はSTと協力し、事業のレジリエンスと持続可能性を強化する、最適化された統合型の冷却ソリューションを開発しました。この協力には、顧客と建設環境の未来をより持続可能なものにするという当社の取り組みが反映されています。今後は同様のソリューションを地域全体に拡大していきたいと考えています。」

 

最大3,200冷凍トンの冷却能力を備えたこの新しい冷却システムは、2温度帯機能により、低温と中温の両方を直接冷却できるため、中温冷却用に必要であった熱交換器が不要になります。また、あらゆる設備ニーズに対応できるように設計されており、最大で年間5ギガワット時の電力を節約できます。これは、4部屋のHDB(公営住宅)約1,100世帯の年間電力使用量に相当します。

 

SP Group社はこの契約に基づき、新しい冷却装置システムを設計・構築・運用・保守し、Chilled-Water-as-a-Service(サービスとしての冷却水)を20年契約で提供します。建設および導入フェーズは2025年12月までに完了する予定です。今回のアップグレードは、2025年12月に発効予定のシンガポール国家環境庁(NEA)の最低エネルギー効率基準(Minimum Energy Efficiency Standards:MEES)に沿ったもので、シンガポール政府が注力している持続可能性の政策(特にSG Green Plan 2030)にも適合しています。STシンガポールはこれらの取り組みに積極的に参加することで、グローバルな環境目標に貢献するとともに、持続可能な未来というシンガポールのビジョン実現を支援します。

 

注記

2022年、STとSP Group社は、シンガポール最大の産業用地域冷却システムをSTのAMK TechnoParkに構築する契約を締結しました。この冷却システムにより、冷却関連の消費電力を20%削減し、二酸化炭素排出量を最大で年間120,000トン削減できる見込みです。2025年の運用開始時には、産業開発向けに導入される地域冷却システムとしてシンガポール最大となります。

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